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バレエの甲とは その解剖とバレエ治療がお勧めする甲の育て方

バレエでよく言われる甲とは何か?

◆よくいただくお問い合せ
よくいただく疑問・質問の一つに『甲』の話があります。

きれいな甲のあるダンサーになりたい
もっと甲が出てるといいんだけれどな…
甲がないので、ポワントで立ちきれない…
というものがあります

クラシックバレエを習っていると気になってしまう甲。
確かに、『白鳥の湖』の第3幕、ジークフリードを誘惑しようと登場したオディール役の
バレリーナが脚を出すシーン。スッと伸びたダンサーの甲はとても魅力的ですね。

 

バレエの甲、その解剖と育て方
ダンサーの甲
◆治療院でお聞きする実際の声
トゥシューズ(ポワントシューズ)をはき始めて、最初はとても喜んでいたんですが、そのうち足が痛いと言いだして。ストレッチとかするのですが、あまり変わらず。これはどうにかならないのでしょうか?
  
このようなお問い合せをよくお母様からいただきます。


お教室の先生方や、解剖学を受けていらっしゃる先生方からは

甲が伸びきらなくて、膝が曲がってしまう子がいるんです・・・・


とお聞きします。
実際にどうなのでしょうか?

Q甲があればポワントにのれるのでしょうか?
Qストレッチをすれば甲が出るのでしょうか?

◆バレエ的な視点
バレエ的な視点で診ると、答えはいずれもノン・イイエです

確かに甲の出ているダンサーの足はラインがとても美しい。
けれど、実際に甲の出ているダンサーからよく聞くのは、『重心が前にいきすぎてしまうから、逆に上に引き上げてなくちゃいけないのよね』という声なのです。

そしてストレッチを欠かさないプロのダンサーさん達全員が、誰もがあこがれるシルビー・ギエムやスヴェトラーナ・ザハロワのような甲をもっているのか?というとどうでしょうか?
ひとり一人のカラダの構造が違っているのですから、甲の形も違ってくるのは当然ですよね

バレエ的な視点で大切なのは、しっかりポワントで立てること。
ポワントで立たせてもらっているのではダメなのです。
そのために大切なのはアライメント。腰から足部へのラインがずれて腰が引けたままの状態では
アテールではなんとかタンルヴェできてもポワントでは立てないのです。

では、ポワントで立つにはどうすればいいのでしょうか?何が違うのでしょうか?

プロのダンサーさんの大きな違いは、甲の形ではなく『足の厚み』
厚みのある足から上へ、アライメントががしっかりしているので、
ポワントワークが安定しているのです。これは大きな意味があります。

 


バレエの甲を解剖すると?

甲についてバレエ鍼灸師、バレエ解剖学講師、フロアバレエ講師から診た内容を紹介しています。

医学的な解剖学の視点で診る『甲』とは?バレエの解剖学・バレエアナトミーから診るとどうなのか?について書いていきますね。

◆解剖学的視点
足の甲を構成しているのは、足部でいうと距骨から舟状骨、楔状骨までの部分です。距骨は、下肢の骨(脛骨と腓骨)の下にあり、足首が回転する時の軸になっています。この距骨の形にはヴァリエーションがあります。

この距骨から楔状骨までのラインが、出っ張ったようにが並んでいる、そういうラインだと、しなやかに反って甲が出ていると見えるのです。

 

バレエの甲、その解剖と育て方
足の甲を構成する骨

 

 

先ほど、骨の形は一人ひとり違っていて、ヴァリエーションがある、と言いました。そうなんです。誰ひとり同じ形をしている訳ではないんです。そして一人の個人をとっても左右違ってたりする。

ひとり一人のカラダの構造、骨の形、並びはそれそれ違っているので、甲の形も違ってきますよね!

でも、ここでおきる疑問もあります。

Q ダンサーさんは、皆さん足がすっとのびて甲が出てきれいに見えます。
これは、どういうことなんですか?


彼女たち・彼らに共通しているところは何なのでしょうか?どこなのでしょうか?
バレエの解剖学的に診てみましょう。

◆バレエの解剖学・バレエアナトミーの視点
先ほども言いましたが、プロのダンサーさんの甲は、『豊な足』の結果なのです。男女変わらずどのダンサーさんもとても『分厚い足』をしています。そしてそれはバレエ学校に在籍し主役をやるようなバレリーナの卵達にも共通しています。

こちらの写真を見てみましょう。
100年に一人と言われたダンサー S・ギエムの足です。
ラインの美しさがパッと目にはいると思いますが、注意して見て欲しいのは、足の厚み。すごくないですか?
大リーグのイチロー選手もそうですが、優れたスポーツ選手の足部も厚みがあります。

 

バレエの甲、その解剖と育て方
厚みのあるダンサーの足

 

この厚み、何でできているか?

 

そう、それが主に足から足底に走っている筋肉なのです。長年のレッスンで鍛えられた筋肉は、足底からググッと骨を持ち上げて足を支えている。だから足に厚みが出てくる。足底からしっかり持ち上げられているので、甲に高さが出てくるのです。

そして子供の頃から足部を鍛えていくと、それぞれの足の骨も太く成長していくのです。ダンサーさんの足の骨の特徴は、一本一本に厚みがある。これがダンサーに共通する甲・足のラインなのです。足が豊なので、ラインも美しく見えるのです。

甲をつくる足の筋肉は↓

 

バレエの甲、その解剖と育て方
膝下から足底に伸びる筋肉 出典 クリニカルマッサージ 大谷素明監修 医道の日本社出版

 

甲を支える筋肉たち

足の後ろから、内くるぶし・外くるぶしの外を通って足裏にいく筋肉達、これがとても大切なのです!!!

◆鑑別のポイント
さて、上でお話した脛骨と距骨。この角度はだいたい150度くらいあるのですが、稀にこの角度が狭い場合もあります。

そうするとポワントをはきこなすのは少し難しいかもしれません。実際にどうなのかは、動かしたりなどして診てみないと分かりませんが、こういう場合は、更に足部から上に向かう引き上げ=アプロンで立つことが大切になってきます。

でも、そうでないのに、足首が硬いという場合は、骨の問題というより、筋肉やカラダの使い方の問題ということが多いのです。つまり、足の裏足底の筋肉が使えていないということ。

ということは、何を意味するか?
それは、レッスン、トレーニングを積んで足を豊かにしていく、つまり、甲をしっかり支える筋肉を育てていくことが、バレリーナの美しい足部をつくっていくことになる、のです。

 


バレエの甲の育て方

◆バレリーナの甲とポワントで立つ、ことについて
◇ひとり一人骨格が違う
◇ポワントで立つために大切なのは甲ではなくて、アライメント
◇甲の土台となるのは距骨から楔状骨までのライン
◇甲の厚みをつくっているのは骨だけではなく、足底の筋肉
◇脛骨と距骨の角度が一般的なのにポワントでたちきれないのは、
足底の筋肉不足の場合が大きい

では、私の足ってどうなのかしら?気になるところですよね。
ここで、簡単にできるチェックをお教えします。


◆セルフチェック
・普段はいている靴の幅が広い場合…甲薄
・たくさん歩くと足裏がつりそうになる…甲薄

な方が多いです。

逆に
・普段の靴は幅狭…甲高
・ヒールをはくと足がでてしまいそうな感じ…甲高

なタイプであることが多いです。

どうですか?
甲高・甲薄、その中間の方もいるでしょう。実は・・・・


甲があればポワントがはける、というのではなくて、アライメントとそれを支える筋肉たちが大切だ、ということなんです。


だからプリエから始まってタンジュ・デガジェと続く毎日のレッスンがあるのですね。床を感じて、床を滑らせて、床を掘るように、と言われるのは、この足底を支える筋肉を育てるためにとっても大切なのです。


Angeが提唱するのは『甲を育てる』こと。そのために、大切なのは、普段のレッスン。しっかり足裏をつかう意識を持つことです。

そして
少しずつ甲を支えている筋肉たちを育てていく、しっかり立てるアライメントを育てていく。これがポワントで立つ、コツなのです。

このコツ、コツと言っても
『じゃあ、どうすればいいんですか?』
『レッスン以外、何か方法はないのですか?』

という質問も出てきますよね。よくこの質問が出てくるのです。


なので

今回はこちらをお伝えします~


◆甲を育てる足づくり
-きちんとしたフレックス・ポワントができるようになるために-

*フレックス
①壁に向かって長座する
②壁に足の裏を付ける
③壁を押して足底筋を感じる
④指の力をぬきつつ、ゆっくりフレックスしていく

ポイント
フレックスをしたいばかりに、表側の指の筋肉を
つかっていると指の力が抜けません。
指の力をぬいたところでフレックスができるのが
ポイント!!

*ポワント
①ボールの上に足を載せる
②内くるぶし・外くるぶしを意識する
③足裏の凹むところを意識する
④二つのくるぶしと足裏の凹みをつなげるように
前に伸ばしていく

ポイント
甲をのばしたいばかりに、表側の指の筋肉で伸ばしていかないこと。足裏の筋肉でボールを包むように丸くなっていくのがポイント!!

つまり、二つとも基本は同じなのです。足の表側ではなく、足裏の筋肉が大切ということなのです。


さて、
ここまで、甲について、ポワントで立つことについて書いてきました。
そして
甲をい育てていくエクササイズも紹介しましたが・・・

やはり、根底となっている解剖学的視点やエクササイズの写真などがあった方がより具体的に分かっていただけますよね~

 

 

厚みのある足を育てるエクササイズ
さて、この最終回では実際にやっているところの画像をつかって解説していきますね。

まず*フレックス

壁に向かって長座して、↓の画像のように壁に足の裏を付けてみましょう。このときのポイントは足の裏を緊張させないこと!


そして 次指の力をぬきつつ、ゆっくりフレックスしていきましょう。このときのポイントは、甲側の指の筋を緊張させないこと!意識したいのは、足底にむかって走っていく指の筋肉なのです。片方の手で足の指を手前に引いてくる時に抵抗を感じたら、それは甲側の筋肉をつかっている証拠。指はあくまでリラックスさせてフレックスさせましょう。


************************************************

次は*ポワント です。
まず、ボールの上に足をのせます。
このとき意識するのは内くるぶし・外くるぶし。
このときのポイントは、甲や足首をリラックスさせておくこと!

 

ここで切って写真
バレエセラピーあんじゅ



次は、足裏の凹むところを指で確認しながら意識してみましょう。ここは足をポワンテにする時に凹むところでもあります。このときのポイントは 両方のくるぶしが平行になっていること!小指側や親指側に傾いたりしないことです。




そして、二つのくるぶしと足裏の凹みをつなげるように前に伸ばしていきましょう。
この時のポイントは、甲側の指はリラックスさせておくこと!




特に意識したい場所に●がついています


そして、下のような形になっていたら、甲側の指に力がはいっていることになります。


いかがでしょうか。画像があると少しはイメージしやすいと思います。あんじゅでは、一つ一つ場所や筋肉を確認しながらやってもらっているので、より実感しやすいという声が上がっています。画像を見ながらの場合も同じように、上のチェックポイントを一つ一つ確認しながら進めてみて欲しいです。


このエクササイズを今回、掲載したのには、訳があるんです。一般的によく紹介されている甲だしのエクササイズ。これは気をつけないと、アキレス腱をつめてしまうエクササイズになりかねないのです。

形だけまねてしまうとどうしても、甲側の指の筋肉に力が入り、結果的にアキレス腱を固めてしまうのです。。。。沢山のクライアントさんにやってみてもらったのですが、やっぱりアキレス側を固めている。。。



『え~。。。そんな。。。逆に固めてたなんて知らなかった』という方は、
実際にはもっと多いのでは、ということで、
今回このエクササイズをご紹介しました。
是非参考にしてみてください。